ヘリカルフィルターは、ヘリカル共振器の一端をシールドケース(筐体)に接続し、もう一端をオープン(開放)にした構造を持っています。これにより、ヘリカル共振器とケースが構成する空間で並列共振を起こさせ、これを数段結合させることでフィルターを構成しています。
このヘリカル共振器を空洞共振器に置き換えたものが「空洞共振器フィルター」です。ヘリカル共振器よりもQ値が高く、より急峻な減衰特性を持つフィルターを構成できるのが特徴です。段数を増やすことでより狭帯域なフィルターを実現できますが、そのぶん調整はクリティカル(シビア)になります。
今回の事例は5.6GHz帯であり、波長に対してサイズが比較的大きくなるため、共振器部分がパイプ状になっていますが、これがただの棒状のものや、構造的に(突起としては)存在しないタイプもあります。また、パイプの間に配置されている棒は、ヘリカルフィルターにおける窓(結合窓)の開いた隔壁の役割を果たしています。
アマチュア無線では古くから5.6GHz帯での交信が楽しまれてきましたが、昨今ではスマート工場の高度化やドローン・自動搬送車(AGV/AMR)の普及を背景に、産業分野でも「大容量・低遅延な5GHz帯の移行・活用」が大きな注目を集めています。そこで今回は、この5.6GHz帯の空洞共振器フィルターをシミュレーションしてみました。